朝日新聞ボンマルシェ5月号 ボンマルシェ商品研究所 vol.2「タイムボイジャートロリーバッグ プレミアムタイプⅡ オレンジ」

この商品は 新潟県長岡市の安達紙器工業株式会社の製品です。
この商品はお客様のご要望から生まれたそうです。
驚いたことにデザイン、機能すべて社内で協議して作ったとのこと。

トロリーバッグには様々なアイデアが凝縮されています。
ちょっとした荷物を簡単に取り出せる専用蓋。
荷物を取り出したり、入れたりするときにケースを倒して開け閉めする経験ありますよね。
それが解消されました。

そしてキャスター部はなんとスケートボードの足回りに利用されているトラック&ウィールなのです。
重心移動が自在なキャスターはどんな路面でも楽々キャリー!
さらに、修理交換はスポーツ用品店で購入、自分で交換出来るのです!
修理に高い費用と納期がかかる不便が解消されました。

この商品はバルカナイズドファイバーで出来ています。

バルカナイズドファイバーは1859年にイギリスで開発されました。
日本では1920年に生産がスタートしました。
バルカナイズドファイバーは加工しやすく、強い素材として重宝されました。
また、天然繊維素を原料に作られているため最終処分性にも優れていて、
廃棄物が問題となる現代において地球環境に易しい材料といえます。

写真は戦中、戦後のバルカナイズドファイバーで作られたランドセルと筆入れ
レトロ感満載、ものすごく味があります。

ところが、プラスチックの台頭で、バルカナイズドファイバーは下火になります。

そこで現れたのがパスコという素材。

このバッグは、安達紙器工業株式会社が1970年代にサンリオと作り、大ヒットしたそうです。
このバッグの素材は古紙を使ったパスコ製。
まだリサイクルの概念がなかった時代にリサイクルマークが付いたキャラクターバッグ。
その当時は着目されないポイントが今では画期的なポイントになっています。

紙製品は奥深い!
阪神淡路大震災の経験を活かし作られたのがパスコで出来たレスキューボード。
人を運ぶ担架です。
このレスキューボードは500キロの耐荷重があり、雨にぬれても220㎏の耐荷重があるそうです。
折り畳み保管が出来る秀品です。

防災用品は他にもありました。

中越地震時に女性が着替える場所がないという報道を見て、作り避難所に寄付したのがこの商品。
その後改良され製品になりました。

オフィスに活躍するこんな収納も紙で出来ます。
オーダー可能で自分仕様のサイズもできます。

安達紙器工業株式会社の紙製品への追求はまだまだ続きます。
日本が誇る製造メーカーです。